上皇后陛下（以下「美智子さま」と表記）が皇族でも旧華族でもなく民間から皇太子妃となることが決まった時、「粉屋の娘」と揶揄されました。

戦後、華族制度は廃止されたとはいえ、まだ日本には人々の意識として「身分制度」が強く残っていました。


日清製粉の社長令嬢であるとはいえ、皇族や旧華族からすれば「粉屋の娘」であり、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。





当時の国会答弁でも「粉屋の娘」という言葉が使われています。


ただ、「粉屋の娘」だったことが問題ではなく、お見合いの数や婚約を白紙に戻したことなどが問題とされました。





今であれば大問題になりますが、当時はまだ「平民」という言葉が普通に使われていた時代です。


それはともかく、美智子さまは「波多野という青年」と深い仲になり婚約までしますが、明仁皇太子からの求婚を受け、この縁談はたち消えになります。


この波多野という青年とは、一体誰だったのでしょうか。





「波多野という青年」は波多野敬直子爵の孫で、元国連大使の波多野敬雄氏のことです。




お嬢さんも浩宮さまのお妃候補として名前があがったことのある名門の一族です。





この波多野氏は皇后雅子さまの実父、小和田恒氏の外務省での一年先輩にあたります。しかし、後輩である小和田氏はその後外務省のトップである事務次官に昇進し、波多野氏は小和田氏の実質的な部下となります。




熾烈な出世競争の中で、後輩に負けるというのは悔しい一面もあったでしょう。


そんな波多野氏は2006年、第25代学習院院長に転身します。外務省のエリート官僚の通常の天下り先とは随分と違いますが、波多野氏自身も学習院出身なので、ご本人の希望もあったのかもしれません。


美智子さまと波多野氏が当時も交流があったのかどうかはわかりません。






しかし、波多野氏の学習院院長在任時代に、敬宮愛子内親王（以下、愛子さま）の不登校問題が起こります。






「乱暴な男の子がいて学校に行くのが怖い」と愛子さまが訴えられ、雅子さまが付き添い登校をする、という対応がとられます。




しかし、付き添い登校が「大袈裟」と大きな批判を浴びます。







後に、学習院内部の関係者の証言で「乱暴」は階段から突き落とそうとしたり、給食に異物を混入したりなど常軌を逸したものであったことが判明します。



この「男子」については紀子さまの関係者であるなどと様々な憶測がなされていますが特定はされていません。





ただ、学習院大学の教職員の孫（川嶋辰彦教授の同僚の孫）ということまでは報じられており、そのため紀子さまが関係しているにでは、という噂は今でも絶えません。





一説には、紀子さまに花束を渡しているこの女の子の甥がその「乱暴な男の子」ではないかとも言われています。



この件について美智子さまは、「いずれかが犠牲になる形で解決が図られることのないよう、十分に配慮を払うことが必要ではないかと思う」と話したといいます。





この意向が示されると、学習院に対しては逆に激励の電話が多数寄せられるようになり、付き添い登校をする雅子さまに対する誹謗中傷は苛烈を極めます。


学習院側と東宮大夫との話し合いは平行線を辿ります。


美智子さまが何故、愛子さまと雅子さまを追い込むようなご見解を示されたのかはわかりません。


波多野氏とその時点で何らかの話し合いが行われたのかも不明です。




ただ、当時の学習院院長が、美智子さまの元婚約者で、雅子さまのお父さまの外務省での先輩で、出世競争には負けていたという事実、そして「乱暴な男の子」が紀子さまのお父さまの同僚の孫、という事実。


これに、当時雅子さまが美智子さまにいじめられていた、という事実を加えると様々な憶測が出てくることも頷けます。







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